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荒井事務所
任意売却
【任意売却とは】
任意売却(任売=にんばい)とは、
任意に、つまり金融機関から強制されるのではなく、
債務者の側が主導して、抵当不動産の権利関係を調整した上、
自由に売却することです。
しかし、実際には金融機関から促されて行うことも多いです。
【任意売却のメリット】
◇
任意売却は、売却価格が市場価格の70%から80%であり、
競売の場合(相場の60%から70%、占有者がいると、さらに下がります。)
より、高く売却できるケースが多いです。金融機関にとっても
メリットがあります。(回収できる金額が増えるため。)
競売場合と違い、引越費用を売主に残す交渉もできます。
◇住宅ローン以外にも多額の債務があり破産申立する時も、
不動産を処分してからすると同時廃止の申立になり手続が簡易になります。
*破産者の所有する不動産の換価については、破産法上は、
強制執行手続によることが原則とされていますが、
破産の実務では、破産裁判所の許可を得て破産管財人が
任意売却する方法がとられているのが通常です。
ただし、破産会社の不動産が全て破産管財人による任意売却に委ねられている
わけではありません。特に、東京地方裁判所では、ほとんどの破産事件を、
破産宣告後1年位で終結させるよう破産管財人に対して指導していることから、
不動産の処理についても、
その範囲内で終了させることが求められており、
売却の見通しの立たない不動産については、
破産財団からの放棄(破産手続からの除外)を躊躇すべきではないとの
取扱いがなされています。
(参考)
オーバーローン不動産の任意売却について
【任意売却の税務上のメリット】
○所得税法9条10号・・・資力を喪失した場合
資力を喪失してしまい借金を返済する目途が全くたたず、競売などが避けら
れなくなった状況で、
借金返済のため自分の土地を売却した場合に、譲渡税が免除される規定です。
競売等の場合に限らず任意売却でも適用が可能です。
なお、このケースは条件が厳しく、破産宣告を受けていれば問題ありませんが、
それ以前の場合は認められるかどうかは難しいところです。
○所得税法64条2項・・・保証債務を履行した場合
他人の借金の保証人になり、その債務者が借金を返せなくなったので、
保証人として土地を売却して
借金を清算した場合に、譲渡税が免除される規定です。
みずからが経営する会社が借りた債務の保証人になり、その会社で
借金による不動産投資
等をやりその清算を行う場合に適用されます。なお、保証時に主債務者
に弁済の資力があったこと、そして、求償出来ないことなどの条件はあります。
○所得税法69条、70条・・・損益通算できる場合
売却益の出る土地の売却と売却損の出る土地の売却を同年中に行うと
その年の譲渡税が免除される規定です。
一般の所得とも通算できます。
また、青色申告をしているとき、売却損の方が多ければその損失はその後
3年間繰り越せます。資産家の節税に使われます。
【任意売却のデメリット】
●仲介手数料、 登記費用、測量費用、司法書士費用等
の経費がかかります。
・・・その分を上回るだけの売却価格の差はあるでしょう。
●権利関係の配分規定が明確ではありません。
・・・競売の場合、売却代金の配分が法律で決まっています。
[ 例 ]
(あ)1番抵当権は2番抵当権に必ず優先されます。
(い)銀行の抵当権設定日以前に法定納期限が到来していた滞納税金については、
税務署が優先されますが、抵当権設定日以後の滞納税金については、
銀行が優先されます。
*ちなみに優先権のない滞納税金については、無益な差押えの解除
(国税徴収法79条T項2号)
により抹消の承諾を得ることを交渉します。
・・・任意売却の場合には競売のような配分規定がありません。
[ 例 ]
上記(あ)のケース
競売であれば一銭も回収できない下位の抵当権者に抵当権の抹消の同意を
得るため゛ハンコ代゛を払ったりもします。債権者はいくらかでも回収しようと
ごねることがあります。
一定の相場はありますが駆け引きで変わるため、調整が大変です。
上記(い)のケース
抵当権設定以後の税金の滞納分も税務署の回収対象になります。
●税金の滞納額が明確ではありません。
・・・債務者の法人税や固定資産税などの税金の滞納額が明確には分かりません。
債務者が正直に話してくれないと、後で思わぬ税金の請求がくる可能性があります。
【成功のポイント】
◎任意売却を成功させるには、信頼できる不動産業者、
弁護士(司法書士)を見つけることです。
不動産業者は、契約成立による報酬を得る為、契約をまとめることを重視し、
残債務については考えてはくれません。